「コミュマネ協会」にて、とある企画が生まれた。
代表の中里桃子と一緒に働いたことがある人に、仕事を通して印象に残っている「忘れられないエピソード」を本音で書き、寄稿するというものだ。担当は私。
正直、一瞬とまどった。
一体どこまで書いてよいものやら。。
悩んだ末、もう全部思ってることを書いてしまおう!と覚悟を決めた。彼女をよく知る人も、初めて耳にする人も、きっとこの記事を読んだら「強烈なギャップ」を感じてもらえると思う。
「え、そんな毒を吐いちゃうの…??」
「んん? その優しさは……ホンモノ!?」
さあ、はじまり、はじまり。
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「専門家」として、何か肩書きを掲げたことがある人ならわかるはずだ。周囲からの「あの」プレッシャーを。
集客の専門家であれば「人が集まっていて当然」と思われるだろうし、美容の専門家であれば「キレイで当然」という目でみられる。知識や経験の豊富さだけでなく「体現」までが求められるため、専門家には日々とんでもない圧力がかかってくる。
これから話すのは、「コミュニティの専門家」についてだ。
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私は学生時代から一匹オオカミ体質で、人が群れることや一致団結のノリが苦手だった。
ひそかな憧れは持つものの、人との関係を維持することに神経をすり減らすぐらいだったら、一人で動いて結果を出すほうがよっぽどラクだと感じていた。
だから正直なところ、コミュニティを語る専門家に対して斜に構えてしまうところがある。「お手並みを拝見しようじゃないか」なんて、心のどこかで思っていたと思う。
世の中にはたくさんのチームやグループ、組織、コミュニティが存在するが、どこもかしこも問題を抱えているんじゃなかろうか。うまくいく方法なんて本当にあるとは思えなかった。
そこに現れたのが、株式会社女子マネを経営する「中里桃子」という人間だった。のちに彼女は「コミュニティ」に関する書籍を何冊も出版することになる。
私が彼女を知ったのは本を出版するより少し前、2017年の5月頃だったと記憶している。
Facebookで「メルマガをはじめました。」というタイトルの投稿がたまたま流れてきて、少し気になったのが最初の出会いだ。
そこにはこんな一文が添えられていた。
「継続率95%以上の魅力的なオンラインサロンの作り方」
当時はちょうど「オンラインサロン」のブームが始まった時期と重なっていて、多くの人があの投稿には反応したと思う。いまでもきっと気になるんじゃないだろうか。
継続率が……95%だって?
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これまで耳にしてきた限り、オンラインサロンやコミュニティがうまくいったという話はほとんど聞いたことがなかった。
入会者が少ないこともあれば、退会者が止まらずサロンオーナーが精神的に疲弊してしまった話も一つや二つではない。結果、1年も経たずに閉鎖へと追い込まれるオンラインサロンをたくさん見てきた。
そのなかで「継続率95%なんてウソだ」と思った。
……でも。もし本当だとしたら?
半信半疑のままメルマガに登録した私は、Facebookでもアカウントをフォローし、中里桃子という人間をウォッチし始めることになる。
まさかその後、一緒にはたらくようになるなんて夢にも思わずに。
彼女はあの日、コミュニティの専門家を「やめる」と言い出した
中里桃子という人は、確かにオンラインサロンやコミュニティ作りのプロフェッショナルだったし、クライアントの下支えをするスキルも頷けるものばかりだった。
大ベストセラー『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』にインスパイアされて設立したという「株式会社女子マネ」。
日々その実績を伸ばし続け、Facebookには途切れることなく、サポート中のクライアントであろう人たちとの打ち合わせの様子が投稿されていた。
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2017年といえば「キラキラ起業女子」というワードがインターネットの世界を超え、テレビでも放映されていた頃。インスタ映えする写真や、ホテルラウンジでのお茶会の様子がSNSを埋め尽くしていた。
それにもかかわらず(?)、彼女のSNSに並ぶのはどれも経営者たちとのガチなミーティングの様子ばかり。メルマガに目を通せば、基本的にはBtoB営業が中心なこともわかり、「ほかの人とは何かがちがう」という空気を纏っていた。
クライアント企業も、7社、10社と順調に伸び続け、新規の受付が間に合わないのだと嬉しい悲鳴をあげているようだった。
それにもかかわらず、彼女は言い出したのだ。
「コミュニティの専門家をやめる」と。
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私が中里桃子という人と出会ったのは2017年の10月、大阪のとあるセミナー会場だった。
「あれ、もしかして中里さんですか?」
あのときの衝撃は忘れられない。
「いつもメルマガやSNSで見ていたあの人が目の前にいる……!」というのも多少あったが、それよりも驚いたのが彼女の「声」だった。
あの文章で、この声はちょっとズルいでしょ……。
ご存じだろうか。この中里桃子という人は、恐ろしいぐらいに「毒」を吐くことを……。百聞は一見に如かず。この文章を読んでみてほしい。
オンラインサロンやコミュニティの構築の相談に乗っていると作る側の「最初は安くして…」という言葉の端々に、”安いから多少ボロが出ても許してくれるだろう” という気持ちを感じます。
いやいや、許されませんよ!
というか、自分がいつも許してないですよね?
売り手に対してサロンの企画や話を聞いていると「一緒にワイワイ楽しめたら」「みんなでフラットに…」という言葉をかさにして、コミットメントもスキル提供もせずに課金だけはしたいと聞こえるものがあるんです(;´・ω・)
お前はナニを提供するんじゃ!!と全力でツッコミたい。<中里桃子のメルマガより引用>
ここからはいつもそう呼んでいるように「桃子さん」と表記していこうと思う。
私は2018年の末から一緒にお仕事をする機会が増えたのだが、正直その言葉の厳しさには目を見張るものがある。
「100人の会員を1000人に増やす?何考えてるの!」
と間接的にお叱りを受けたことも、飽きられたことも数知れず。自分に言っているわけではないとわかってはいるものの、その厳しいお言葉はいつも胸にグサりと刺さり続けていた。
また後述するが、私を含め、多くのサロンオーナーたちは「コミュニティ」を間違って認識していて、それこそが「うまくいかない根源」だったりする。
そんな「毒」ともいえる厳しい発言が次々に飛び出す桃子さんだが、その「声」はおどろくほどやわらかく、時に癒されることすらある……。
ぜひこの動画を見てほしい。
楽しそうに、けっこう厳しいことを言う姿を捉えただろうか?(笑)
しかも彼女、こういう可愛らしいイラストもよくメモ書きしていて、SNSにもよく投稿している。これがまた恐ろしい。
心が和むというか、ほっこりする人も多いことだろう。ああ、毒ばかりじゃなくて、こういう側面もあるんだなあ~と見直したのではなかろうか。
……でも驚くなかれ。
「私がゆるいイラストを描くのって戦略ですよ。わざとノートの最初あたりにこういう絵を描いておいて、相手との親近感を高めるんです!」
って嬉しそうに話すのだから。
正直それを聞かされてしまっては、むしろ背筋が凍る思いしかないΣ(°д°lll)
「あああ……。やっぱりこの人は恐ろしい。戦略の塊や……」
そんなことを思う一方、「ほんとのほんとに、戦略ですか?」と疑いたくなることもめちゃくちゃあるのが桃子さんだ。
「え? ノースリーブでから揚げですか?」
桃子さんと一緒にはたらいている人だったらすぐに同意を得られるはずだ。あの人はぜったいに「天然」だと思う。いや、確信している。
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そんな桃子さんが「コミュニティの専門家をやめようかな」と言い始めたのは、実はけっこう最近のこと。2020年を迎える頃には、どこかうつろな表情を見せるようにもなっていた。
だからといってビジネスに陰りが出るわけでもなく、なんだったら過去最高年商をたたき出すほど、会社としての売上を伸ばし続けていた。
正直、この人は「目標達成の鬼」だなとおののいたことは一度や二度ではない。いつの間にか、彼女自身のコミュニティの輪はますます拡大していた。
気づけば「結婚」もしていて。
結婚までの道のりをまとめた出版までもしていた。
恋愛や結婚式にレバレッジをかけて、マネタイズにつなげる人を見たのはこれが初めてだ。ただものじゃない。
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外側からは順調そうに見える桃子さんだったが、やはりどこかで自分はもう「コミュニティの専門家をやめよう」と考え続けていたという。
その背景には、自らが考えるコミュニティの本質と、世の中から求められるビジネスとしてのコミュニティの「ギャップ」が、もうごまかせないほど大きくなっていたことが原因だったという。
「みんなが求めているのは、売上を何倍にもするようなコミュニティ運営の方法だ。でも私が実現したい世界は、その方法を提供するだけじゃいつまでも達成できやしない……!」
そして彼女は、自ら経営する株式会社のほかに、新たに「協会」をつくることに踏み出した。
メンバーを募り、新たな道を切り開き始めていた。
目に見えない「仮想コミュニティ」こそが彼女の神髄
桃子さんが考える「コミュニティ」がどんなものなのか。それはおそらく、彼女の発信するSNSの内容や、ブログ、それこそ書籍を読んでもらうことが一番はやいと思う。
色々とリンクを張るので、興味がある人はぜひフォローするなり、書籍を購入するなどアクションを起こしみてほしい。
でも今日はせっかくだから、3年以上一緒にはたらいてきたからこそ見える、中里桃子という生態について、私から色々と感謝のメッセージを含めた「トリセツ」を公開していきたいと思う。
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私はあるとき、知ってはいけないことを知ってしまった気がしたのだ。
「あれ。桃子さん、コミュニティの専門家って名乗ってるけど……。ご自身でオンラインサロンとか運営してないような……」
これはきっと口にしちゃいけないやつだ。気づいていないフリをしよう。大丈夫、ほかの人は気づいていないはずだ……。
そんな余計な気遣いをしていると、ある日のミーティングで桃子さんはこう言い放った。
「私さ、オンラインサロンの本とか出してるけど、いま自分のサロンって持ってないんだよねー。あはは」
「え、その発言は大丈夫なのだろうか……」
一瞬、思考停止したものの、桃子さんが伝えようとしている「コミュニティ」の概念への理解不足であることをその後に知ることとなる。
振り返ってみれば彼女は主催セミナーのなかでもよくこう言っていた。
「会社の上司が、サロンオーナーに代わっただけのヒエラルキー構造は、これからのコミュニティの形じゃない」
桃子さんは確かに、外から目に見える形の「コミュニティ」は持っていないように見える。しかしよく観察してみると、3人ぐらいから数十名規模の小さなグループをいくつも管理している。
なかには、あのグループにも、こちらのグループにも属しているようなメンバーもいて、そういう人たちとはいつも顔を合わせているような状況を作っているのだ。
いわば「仮想コミュニティ」と言ってもいいかもしれない。
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桃子さんのコミュニケーションの仕方は、最初はちょっと不思議に感じた。
「これからどんなことやりたいの?」と興味を示してくれて、「こんなことにチャレンジしたいなと思ってるんです」と伝えると、「一緒にやろうよ!」と身を乗り出して応援してくれる。
自分の仕事も手一杯だろうに、なぜこの人は他人事にそこまで関心を持ってキラキラと話すのだろうかと謎めいていた。
初めは自分にだけそういうコミュニケーションなのかとも思ったが、よくよく観察していると、誰に対してもそのような接し方をすることに気づいた。
「この人は、win-winを作ることに長けているんだ」と気づいたのは、出会ってから1年以上が経過してからのことだった。
その極意を学ぼうと、2018年12月17日には、71名のセミナー受講生が東京に集結した。そのときのイベントレポートは圧巻なのでぜひ読んでみてほしい。
ここまで読んでくれたあなたも、中里桃子の考える「コミュニティ」のカタチがうっすらと見えてきたかもしれない。
とはいえ、自分が運営するコミュニティの課題の数々に、まだまだ頭を悩ませているのも事実だろう。
・毎月の入会者が明らかに減っている
・退会者が増えメンバーのモチベーションが心配
・サロンで発信するコンテンツが枯渇した
問題はそれだけじゃないはずだ。
・情報共有がうまくいかず、メンバー間にギャップができた
・顔を合わせていないメンバーの気持ちが離れていく
・手をあげる人に役割が偏ってしまっている
・トップダウンで上司と部下のような関係になっている
・会ってるときは盛り上がるが、日常に戻ると進捗がない
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これらの課題の多くは、オンラインサロンやコミュニティを無意識のうちに、継続課金の仕組みを動かすツールと思い込んでいたり、先生ポジションに立ってヒエラルキー構造を作ろうという深層心理の表れかもしれない。
少なくとも「中里式コミュニティ」を目の当たりにした私からすると、発想を根本から変えなければ、きっと同じことを繰り返すんだろうなと感じている。
言い換えると、その「根っこ」を理解することができれば、コミュニティは自分にとっての大切な「居場所」になるし、つながりのなかでいつまでも仕事が途切れない、しなやかな人生を送れるようになるはずだ。
もしあなたが、コミュニティオーナーとして運営をしていきたいと考えているのなら。もしくは、想いのあるオーナーの不器用な運営をサポートしていきたいと考えるのなら。
ちょっとだけ宣伝すると、「コミュマネ協会」ではその両方を全面的に力強くバックアップしてくれている。
Webサイトを確認するか、メールマガジンに登録してもいいかもしれない。
最後に。
今日は「本音で記事を寄稿する」というテーマだったので、書いちゃヤバそうなことも含め、私が桃子さんに対して日々感じていることを素直に、率直にまとめていった。
厳しさと優しさを持つ桃子さん。際立つ戦略と、明らかな天然要素を備えた桃子さん。
どれも私からみた「桃子さん」なので、ぜひ実際はどんな方なのか直接会ってお話をしてみてほしい。コロナ禍のいまは、オンラインという形式を取ることになるかもしれないが、その雰囲気は伝わるはずだ。
少なくとも桃子さんの作る「コミュニティ」は、一人ひとりにとっての “居場所” になることは間違いない。参加する一人ひとりのことをていねいに考えた、安心安全の場であると最後に添えたいと思う。
最近の桃子さんは「デイユース研究家」としても活動中。ぜひFacebookで要チェック♪
中里桃子/1982年佐賀県生まれ。日本で唯一のオンラインサロン運営を専門としている株式会社女子マネ代表取締役。広告・イベント会社勤務を経て独立。
2013年に立ち上げた読書会は、半年で毎月100名を超えるイベントに成長。
現在は、個人・法人20社以上のコミュニティマネージャー・顧問として活動中。
日本最大手セミナー会社でも「コミュニティ・オンラインサロンの作り方」講師として登壇。累計1100名の法人・個人にコミュニティの作り方教えている。
関係性のなかで、人がどう自分らしく生きるかを考え続けて33年。
普通の人が気軽に挑戦できる社会をつくるために、 “役割の試着” ができるコミュニティ活用の方法を広めている。
ビジョンは「愛情表現をするように仕事をする人で日本をいっぱいにする」こと。